インタビュー:クォン・サンウ「大切なのは未来」
クォン・サンウはいつも「話題の人」だ。自分の意思で、または他人の意思によって、常に話題の的となる。クォン・サンウの正直さは、方向の定まらないブーメランのように、自分自身を傷つけることもある。
33歳。クォン・サンウはもう、そんな「話題」の中から跳躍しなければならない年齢だ。今や作品の中で認められなければならない。そんなクォン・サンウが、再び生徒になって戻って来た。16日公開の映画『砲火の中へ』(イ・ジェハン監督)で、クォン・サンウは学徒兵を演じている。
-物語をリードする主人公はBIGBANGのT.O.Pだ。主人公を支える役をクォン・サンウが演じると聞いて少々驚いたが。
「映画を見た観客が、僕の演じたキャラクターを一番印象深く感じると思ったから。ぜひ、そうあってほしい」
-T.O.Pやチャン・スンウォン、キム・スンウとの共演をどう思うか。
「共演者が誰かということは問題にならない。僕の気に入ったシナリオとスタイルが大切」
-クォン・サンウといえば映画『マルチュク青春通り』を思い出す。当時のクォン・サンウの役をT.O.Pが演じたとすれば、クォン・サンウはさしずめイ・ジョンジンといったところだが。
「正直に言って、それを念頭に置いて演じた。『マルチュク青春通り』が学校の中の社会を描いた物語だったとすれば、『砲火の中へ』は学校に祖国と戦争を盛り込んだようなもの。エンディングも『マルチュク青春通り』のように屋上だし、制服も着た。僕のプロフィールの中で、比較の対象になり得る作品だということは間違いない。当時よりも成長した姿を見せたいと思う。いつも新鮮なイメージを与えることのできる俳優になりたい」
-30歳を過ぎて再び生徒役を演じたが。
「作品を見てもらえば分かると思うが、僕が学校へ通う姿に違和感はないだろう。自然に感情移入できるはず。僕がもっと若い役を演じたかったなら、T.O.Pの役を希望しただろう」
-チャ・スンウォンやキム・スンウなど、先輩たちと共演した感想は?
「素晴らしい先輩たちと、もっとたくさんの作品に出演してみたいと思った」
-それでは主人公ではなく、助演でもいいという意味か。
「良いシナリオであれば。だからといって、僕が助演を演じたいといういう訳では...(笑)。しっかりした映画に出演したい。失敗する確率の少ない作品に」
-最近、映画やドラマがヒットしなかったことに危機感を感じているのか。
「ヒットしてほしいとは思うが、危機感までは感じていない。周りから何と言われても、僕は自分の思った通りの道を進んできた。ただ、そろそろ"結果"を見せる時が来たと思うだけ。僕は俳優として、危険な要素は少ないと思っている。ラブコメディー、ラブストーリー、アクションなど、いろいろなジャンルの作品に出演してきたし、どのジャンルも柔軟に演じられる自信がある。僕の名前を、観客は信頼してくれていると信じている」
-クォン・サンウは人に何と言われても自分の道を歩んできた。逆に言えば、他人の忠告に耳を傾けなかったということにもなるが。
「最近は人の話もよく聞く(笑)。ただし、自分で正しいと思ったことは、どんなことがあっても途中であきらめない。成功が保障された華やかなものより、敬遠されがちな作品に出演したのもそんな理由のため」
-これまでの選択に後悔はないか。
「人生の中で、後悔したことのない人はほとんどいないと思う。誰もが試行錯誤を繰り返すもの。そして、僕に大切なのは未来。過去を振り返ってみても、何も変わらない。それは僕の中の宿命のようなものだから。これからの僕の歩みが大切。僕は僕の人生を、自分の計画表通りに生きていきたい」
-人生の計画表通りに生きているとすれば、『砲火の中へ』の目標は何か。
「この作品をヒットさせること。今、僕に必要なのは映画のヒット。だからといって、この作品にすべてを懸けるということではない。この作品で、今の自分をすべて見せることができるとは思っていない。今回の作品で見せることができなかった部分は、次の作品で見せられればいいと思っている」
-人生設計の最終目標は?
「僕が満足できる映画に、ジャンル別に出演すること。僕は僕の作品をニヒルに見ている。冷静に見ているという意味だ。演じるときは情熱的だが、結果は客観的に見ようと努力している。だからこそ、自分で満足できる映画に出演したい」
-女優コ・ヒョンジョンとドラマ『大物』に出演する予定だが。
「正直言って期待している。ベテランの女優と共演するということに。自分を補えると思うし。今年はすべてうまくいってほしい(笑)」
-10年以上芸能界で生きてきたのに、まだ自分に正直だということは、世渡りが下手だったり、知恵が足りないということもできるが。
「ただ正直なだけ。今になって自分のキャラクターを変えるのもおかしなこと。どうして他人に自分を合わせる必要があるのか」
-二人目の子どもの計画は?
「努力中。そればかりは思い通りにならないもの(笑)」